1. 私が目撃した統一教会・文鮮明教祖の「SEXリレー」のすべて

週刊現代  Shūkan Gendai  1993.11.13       42-45頁

▲ 中村敦夫 (作家)                     朴正華 (文鮮明教祖の元側近) ▲

私が目撃した統一教会・文鮮明教祖の「SEXリレー」のすべて。

【 特別対論 】これが血分けの実態だ!!


「合同結婚式は血分けの儀式」と発言した中村敦夫氏に対し、統一教会はこれを事実無根とし5月31日に刑事告訴した。だがいまその中村氏の前に、“血分け”の生き証人がいる。

朴正華氏(80歳)。彼自身、血分け=セックスリレーの実践者であり、実際、文鮮明氏が女性と交わる現場の目撃者だと証言する。


■ 朴正華(パク・チョンファ)

80歳。1913年、北朝鮮生まれ。’49年、軍人だった朴氏は、部下の犯罪責任を問われて逮捕され、北朝鮮の興南特別労務者収容所に収容され、そこで社会秩序紊乱罪で5年の懲役刑に服していた文鮮明(当時・文龍明)と出会う。文と知り合って以後、朴氏は急速に文に傾倒。彼の弟子となって、生涯、文のいう理想社会建設のために働くことを誓い、統一教会創設、教会の経済を支えるなど、文の右腕として働いた。が、教義に対する疑問や文からの排斥的な行動がきっかけで’62年頃から統一教会と疎遠となる。’83年突如統一教会から呼び戻され、文鮮明の美談の生き証人として来日、講演したこともある。

だが今回「六マリアの悲劇」(恒友出版)を「遺書を書くつもりで」出版することとなった。



▲ 1954年5月3日統一教会の創立期。 前列中央が文鮮明氏、後列左端が朴氏


「人妻の家に転がりこんで」

中村 私はこれまで、さまざまな場所で、統一教会(世界基督教統一神霊協会)の教義の根幹は、文鮮明教祖が女性信者とセックスを行い血を清めるという、いわゆる “血分けの儀式” にあると発言してきました。これに対して、統一教会は、中村発言は事実無根の中傷と私を刑事告訴し(本年5月31日)、今もそうした教義や儀式は存在しないと強弁しているわけです。

しかし、今回、この「血分け」論争にとっては決定的ともいえる証言が、統一教会創始者の中心人物の一人で、文鮮明の側近中の側近だった人物の口から飛び出した。それが今日私の前にいる朴正華氏です。

朴 統一教会は韓国でも日本でも、その他の国でも、“血分け” は存在しないといっています。でもそれはまったくのウソです。私は文鮮明が実際に血分けのために女性信者とセックスしている現場を目撃しました。また、大変恥ずべきことなのですが、この私自身、文の命令で女性信者とセックスをしたのです。また、文とセックスを行い、身も心も財産もすべて捧げ尽くした末に、放り捨てられ、悲惨な状況に陥っている女性信者の数多くの証言も得ています。血分けが存在しないなどというのは、まったくのデタラメなのです。

▲ 去る10月26日に行われた朴正華氏の緊急記者会見には中村敦夫氏他、
浅見定雄東北学院大教授らも出席した

❖ 補足説明の追加

左から右の順に:卓明煥教授ソウル(世界中のメディアで論文が引用されている韓国新宗教の専門家)、翻訳した韓国人女性、劉孝敏氏(統一教会の「祝福」を受けた最初の三十六家庭のうちの一人。統一教会の創設メンバーであったが、1970年代に脱会。)、朴正華氏、中村敦夫氏(日本の国会の一員、小説家、そして非常によく知られている俳優)、仙台にある東北学院大の教授である浅見定雄(彼は40年以上そこで教鞭を執った)と有田芳生氏(その時点で有名なジャーナリスト、後に日本の国会の議員となった)。残念ながら、雑誌から切り出した際写真は損なわれてしまった。


中村 朴さんは49年に初めて獄中で文と会ったわけですが、文は収監以前から血分けを行っていたのですか?

朴 まだ私が文と出会う前のことですから、私自身が目撃したり、体験したことではありませんが、それは行っていました。というのも、それを文の口から直接聞いていましたし、また文の相手をした女性から証言も得ているから、そういえるのです。

中村 具体的にお聞かせください。

朴 文が神の啓示を受けたとして、妻や子どもを捨てて北朝鮮に渡ったのは、’46年のことです。それから何人もの女性を集め、彼のいう原理を説いては伝道していった。その原理を信じると、女性はいやでも文に身をまかせなければ救いがないことになるのです。

そうした一人に金鍾和という人妻がいました。信じられないことですが、文は、彼女の家に住み込んだのです。金鍾和の家には、夫も3人の子供もいました。そこに転がり込んで、堂々と同棲生活を始めた文は、さらに、人妻である金と結婚するといいだして儀式の準備を進め、夜半じゅう大騒ぎしていた……。

中村 文が先の興南特別労務者収容所に収監されることになった48年の事件ですね。

朴 そうです。この騒ぎは近隣の住人によって警察に通告され、文は逮捕されて収容所にやってきました。当時、文は、この金さんに強く執着しており、先に出所した私に彼女と連絡をとるよう指示を出したくらいです。

中村 その金さんとは、出所後、お会いになりましたか?

朴 出所後、すぐに訪ねていったときには会えませんでした。でも、その後に会って話をうかがったところ、彼女は当時、文とセックスしたことを認め、「死ぬまで懺悔しても許されない罪を犯した。文鮮明は大サタン。殺したいほど憎んでいる」と、涙を流しながら私に訴えたのです。しかし、被害にあった人妻は彼女だけではありません。


■「6人のマリア」-- 文鮮明がなぜ人妻を次々と “セックス伝道” したのか。その理由は、朴氏の著書によれば文の説く独特なキリスト教観にあるという。

〈最初の人類であるアダムとエバのうちのエバが、サタンとセックスをしたために、人類は悪魔の血を引くことになった。そこで神は、第2のアダムとしてキリストを地上に遣わした。キリストの使命は、サタンに奪われたエバを取り戻すために、母であるマリアを含めた6人の人妻とセックスを行い、その血を清めることにあった(これを “復帰” という)。しかしキリストはこれに失敗、ついに一人の人妻との “復帰” も達成できずにこの世を去った。そこで、第3のアダムとして神は文鮮明を地上に送り出した。文には、6人の人妻、すなわち「6人のマリア」の血を、3回のセックスによって清めなければならない使命があり、また人類は、そうして清められ、神の側に立ち返ったマリアとのリレー式セックスによって、はじめて救われる〉--というのが、朴氏に説いた文の、“原理” だったのである。

「寝ていた私の隣で喘ぎ声が」

中村 6人のマリアというからには、文はほかにも多数の人妻を奪ったのですね。

朴 奪いました。私が断言できるのは、北朝鮮から南に逃れて釜山に移って以降のことです。文はそのとき、私にはっきりと「6マリアを執行した」といいました。しかし、実際には6人などではないのです。文は「あなたは6マリアの一人だ」といっては、次々と女性を変えていきました。それも、6マリアだとささやかれた女性のほとんどは、財産家の妻など裕福な女性ばかりでした。つまり目当てはカネだったのです。当時、「私もマリア、私もマリア」という女性信者がたくさんいた。私は、実際には ”60” マリアぐらいだったと思っています。

中村 朴さんが実際にその目で “復帰” の儀式、いわゆる「血分け」を目撃したのはいつですか?

朴 ’54年、ソウルに統一教会を創設した年です。当時、私は文や、“復帰” を受けた6マリア、その他の創設幹部らと一緒に暮らしていました。

中村 人妻が一緒に?

朴 そうです。彼女たちは、ひとたび原理に洗脳されると、もう夫とのセックスなどできなくなるのです。というのも、「サタンの側にいる夫と寝てはならない」という文の教えがあるからです。それで彼女たちは教会に住んで、当時、教会の経済活動の中心だったブロマイド写真を作ったり、そのほかの労働奉仕をしたり、また一部マリアは別の男性信者と “復帰” をして、清い血の持ち主を増やしていくという仕事をやりました。

中村 その中で、あなたは文 のセックスを見たわけですね。

朴 そうです。それもしばしば見ました。また、文の部屋から聞こえてくる女たちの嬌声も耳にしています。また、恥ずかしいことですが、私自身もそれに参加したことがあります。私と “復帰” した劉信姫という女性は、その後、文の唱える原理の教えに従って、金徳振という男性信者と “復帰” をしました。金はまた別の女性信者と “復帰” を行い、次々と “復帰” の輪が広がって、私が知っているだけでも70人の輪ができました。

中村 つまりリレー式でセックスの輪が広がった。

朴 そうです。こうした輪は、当時は人類の血を清めるための聖なる使命だと信じこんでいたのです。

中村 その “復帰” には、特別な服装とか、厳粛な儀式とかはあったのですか?

朴 何もありません。文が行っていて、お前も参加しろといわれてそのまま……。今にして思えば、乱行パーティのようなものでした。

中村 あなた自身、あるいは文らの相手をする女性の側に、心理的抵抗といったものはなかったのですか?朝鮮といえば儒教道徳がきわめて厳格で、姦通が犯罪になるお国柄だと思うのですが。

朴 確かにそうなのですが、そのときはそんなことは考えませんでした。精神がおかしくなっていた。女性信者にしても、抵抗などはなかった。彼女たちのほうから、文めがけて身を投げ出していったというのが実情です。

中村 朴さんがお書きになった「六マリアの悲劇」の中に出てくる悲劇の女子大生、金永姫(仮名=朴氏は自著の中で配慮して、一部人名については実名を避けている)も、そうやって文に処女を差し出した……。

朴 彼女のケースは悲惨です。彼女はソウルの名門の延世大学の学生で、アメリカ人だった大学総長が帰国する際、彼女のために1年分の学資をプレゼントしたほどの優秀な学生でした。ところがその学資を、彼女の叔母で文の信者だった女性が、文のために使い込んでしまったのです。それで彼女は、抗議するために統一教会に出向きました。そして文の原理講義を聞いたのです。

中村 悲劇はそこから始まるわけですね。

朴 そうです。その夜、講義が終わって私たちは就寝しました。文が一番端、次が私、それから文と肉体関係をもつ5人の人妻が並び、文とは一番離れた端っこに金永姫が寝たのです。ところが、ふと目が覚めると、金が文の布団にいて、悲鳴とも喘ぎ声ともつかない声をあげているではありませんか。さすがにこれには、私も驚きました。どちらが誘ったのか、私にはわかりません。でも、私はひたすら眠ったふりをするだけでした。


■ 統一教会問題に詳しい浅見定雄東北学院大教授の話「朴正華さんは統一教会の創始者の一人に間違いありません。だからきわめて初期におこなわれていた血分けのこと、たとえば文鮮明が、朴さんの隣で女子大生と交わった現場も、彼は息をひそめて見ていたのでしよう。いままで数々の研究者が資料や取材で調査していたことが、今回の生々しい朴証言によって、実証されたといっていいわけです」

❖ 写真の追加


▲ 金明熙


中村 そして金は妊娠したわけですね?

朴 そう、文の子を宿したのです。困った文は、同じく延世大学に通う熱心な男性信者を金につけて、彼女たちを日本に密航させました。カネのめんどうは自分がみるからという約束でした。しかし文は、彼女たちを捨て去りました。仕送りなど一銭もせず、金と男性信者は貧困にあえぎながら、安アパートの一室で子を産み落とした。密航者ですから入院したくてもできないのです。何の知識もない彼女と男は、どうすればよいのかわからず、男が臍の緒を歯で噛み切って産んだというのです。


❖ 写真の追加


▲ 1960年に撮影された金明熙(左)と文喜進。文は1955年8月に東京で生まれ、1969年8月にソウルで死去した。


中村 ほかにも文に “復帰” させられた処女はいるのですか?

朴 たくさんいるでしょう。というのも、文の使命は、まず6マリアを “復帰” させ、ついで一人の処女を選んで結婚することによって、一応の完成を見ることになっていたからです。その処女をエバと定め、「小羊の儀式」(正式な結婚)をする。アダムの再来である再臨主とエバは「真のお父様」「真のお母様」になるというのが、文の主張でした。ところが文は何人もの処女に関係を求めました。李聖花(仮名)という女性は、それで文に処女を捧げて妊娠しましたし、その妹の李順哲(同)も処女を奪われ、妊娠しました。


■ 朴正華氏の「血分け」の暴露に対し、統一教会側はこう反論している。

「まったくの事実無根のデッチあげであり、ねつ造された内容です。統一教会の創始者は文鮮明師一人であり、朴氏は、韓国統一教会に名をつらねたことはありますが、創始者ではありません。朴氏は自ら犯した罪を文師に転嫁し、「血分け」の儀式があると主張する反対派のいうままに教義を、意図的に曲解しているのです」(同・広報部)


中村 朴さんは、当時のメモや日記をもとに、30年前から原稿にし続けてこられた。その分量は200字詰め原稿用紙6000枚という膨大なものです。しかし、反共などに関する利害で統一教会と深く結びついていた前政権時代までは、それを発表することができなかった。

金泳三政権の今だからこそ

朴 そうです。でも、今は政権が穏健なキリスト教信者の長老である金泳三大統領に変わりました。だから今こそ、この事実を公表しておかないと、私は死んでも死にきれない。この本によって、統一教会信者の目が開かれるなら、私はたとえ明日死んでもいいという心境なのです。

中村 朴さんの勇気に心から敬意を表したいと思います。

(文中一部敬称略)


最初の妻 崔先吉女史 が告白! 「文鮮明教祖の性の祕密」

「私の一族は統一教会の餌食にされた」

「血分け問題」に重大証言

文鮮明教祖の「血分け」ルーツで 浮上した「女子大事件」

中村敦夫 vs 統一教会「混淫派·血分け」論争の核心

これが『統一教会』の秘部だ


English translations:

Pak Chung-hwa interviewed about Moon’s “SEX relays”

Moon’s first wife, Choi Seon-gil, and Kim Deok-jin interviewed

Sun Myung Moon used a ‘Honey Trap’ – Choi Soon-yeong explains

Pikareum sex emerged at Ewha Womans University in 1955

Sun Myung Moon’s “Gigantic lie” by Eu Hyo-min (36 couple)

The Fall of the House of Moon – New Republic

Sun Myung Moon’s secret love child – Mother Jones